「水統(すいとう)」の語源学
株式会社アキュレットのための、新しい言葉です。意味は、「水の伝統を創業して、後世に伝えていくこと」。
「統」という字は、長い糸のすじという意味です。そして、その糸の先を手元で持つところから、長く続く連なりの最初の大本という意味もあります。たとえば伝統とは、「長く続く連なりの最初が、後世に伝わっていく」ことです。
アキュレットは、水の「統」を、今の時代に広め、後世にも伝えていく使命を待った、企業です。
「水統」の字は、古代中国の古典『孟子』から得ました。
君子は創業・垂統して、継ぐべきを為す。もし夫れ
成功すんば、則ち天なり。(『孟子』梁恵王章句上)
孟子は中国の戦国時代(BC5世紀-BC3世紀)に、乱世を鎮めて理想の世を建設するための提言をもって、各国を遊説に回った思想家です。当初梁や斉といった大国に遊説して聞き入れられず、小さな国の膝(とう)の若い君主の顧問として招かれました。孟子は、大国に押されて不安でしょうがないという若い君主に対して、君子すなわち立派な人間が生きてなすべき道を、説きました。
「君子とは、創業して垂統(すいとう。後世への模範を始めること)し、後に続くべき仕事をなすものです。もし成功するならば、それは天が支持したことなのです。」
孟子は、だからあくせくせずに善なる事業を、ひたすら続けなさい。あなたが天運に恵まれているならばあなたの世代で成功するだろうし、たとえ天運がそこまで幸運でなくても、あなたが生涯で成した事業は、必ず他人を動かして、後世に受け継がれることでしょう、と若い君主を励ましたのです。
「水統」は、上の孟子の言葉の「垂統」(すいとう)からヒントを得て、取ったものです。
水とは、流れて行き、上流から下流に絶えず往来していくものです。それは、事業にも似ています。
創業の志は、絶えず時間の流れの中で泡立ちもまれて、しかも創業の志を絶えず持ち続けていれば、尽きることがありません。やがて志の上流が確かなものであれば、下流は大河ともなるでしょう。あせらず、天の時を信じて、人が為すべきことをなせば、いずれ志は世界にまで流れを作っていくでしょう。
アキュレットの事業の要である、「水」。ペンチャー企業の志である、「創業」。この二つの理念が、時代と国を超えた、古典からの言葉に乗って、長く続く連なりとなるべき姿。それが、「水統」の字に込められています。